I'm back rausu

〜東京から羅臼に戻ってきた漁師〜

羅臼の良い話

これは屋外トイレ

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漁師の仕事はカッパを着たまま外で作業をすることが多い。

 近くに倉庫があっても、トイレは付いていないので、このような屋外トイレが必要になります。

 

デメンさんと呼ばれるパートで働きに来てくれる女性には、これが無いと相当不便です。

今回は雪かきをしながら思い出した、ちょっと良い話をご紹介。

 

 2014年12月、何もかもが流された...。

 

matome.naver.jp

 

この時、羅臼町では満潮と低気圧のピークが重なった

 

浜はエグれ、漁具が流され、船も流されるという

凄まじい被害。

 

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http://www.ysk.nilim.go.jp/kenkyuseika/pdf/ks0854.pdf

 

 

この時、大事な先代屋外トイレが

波にさらわれ、木っ端みじんに!

 

わたしは見ていた。

波にもまれ、テトラポットに叩きつけられ、海の藻屑となるトイレを...

すんごい悲しかった。

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数日たって時化(シケ)が収まった作業場

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悲しんでばかりもいられないので。

時化が収まってさっそく片付けに入っていると、うちの浜にお隣さんの漁具がチラホラ。

 

放っておいたらまた波にさらわれていってしまうので、わたしはそれを集めた。

そして軽トラに積み、お隣さんに届けた。

 

出て来たのはお隣のオジイさん。

 

小さい頃、友達と野球をして遊んでいたら、よくお隣の敷地にボールが飛んでいった。

けっこう怒られた。

 

これは羅臼ではわりと普通の事。

 

自分ちの敷地は大事な作業場。

子供でも、勝手に入られて荒らされたら気が立つ。

小さい頃はちょっと苦手だったお隣さん。

 

でも届けた。

 

漁具を持って来たことを伝えたら、オジイさん感激。

すごく喜しそう。

 

その笑顔に、

子供の頃の苦手意識が吹っ飛んだ。

 

『あの頃はしょっちゅうボール飛ばしてすみません』

 

『なんもなんも〜気にしないでぇ』

許された(笑)

 

それから数日後・・・

そのオジイさんの息子が、巨大なホイールローダーに乗ってわが家の浜に現れた。

 

屋外トイレをぶら下げて!

それがこちら。

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漁具を届けたオジイさんが、わが家のトイレが流された事を知ったらしい。

 

そして、オジイさんちの仕事場のトイレをくれたのだ。

タダで!

 

息子さん

『買ったけど使ってないからやるわ!金はいらねぇぞ!

うち、カネ余ってるからな〜!ハハ』

 

爽やかな笑顔と豪快さ。

 

カッコ良すぎである!

 

しかも、使ってない訳がない。

 

浜で作業する漁師には一家に一台。

いや、2つ持っててもおかしくないほどの必須アイテム。

 

それをタダで・・・

ほぼ新品を・・・

 

感動した( ;∀;)

 

これが羅臼の人情。

 

おかげさま おかげさまで 生きているんだなぁ

 

もう頭の中が、みつを(笑)

 

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このご恩は一生忘れない。

 

あちらが困っていれば必ず助けに行き、損得無しで動く!

 

そう決意したあの日の出来事。